長い時を経て今日、この場所はわたしと、わたしの大切な人のための舞台となる。
かけ足な世の中、スピーディーさばかりを求められる世界は
いつしか、本当に大切なものをポロポロと落としているように思えてならない。

今日は、時間の流れをゆっくり感じる場所がいい。
「 いつもありがとう」「今までありがとう」。
ありったけの感謝を伝えるには、時間がいくらあっても足りないから。

わたしがうまれるずっと前からあったホテル。

家族のお祝いや友達の結婚式、ちょっと特別な日の食事…
いま思えば、大事な集まりはいつもここだったな。

みんなに親しまれているこの場所は、
ひとりひとりにそれぞれの物語がある場所。

ずっと変わらないって、実は、すごいことなのかもしれない。

ここで働いている人たちは、
このホテルが好きで、好きで、たまらない人たち。

だから、「どんなことでも聞いて！」と笑顔で言ってくれる。
もっとよくしよう、もっとよくしようよって
思ってくれているのがすごく伝わる。

わたしたちもうれしくなって、
つい、余計なことまで話しちゃうから困るな。

お母さんとお父さんが結婚式を
挙げたとき、このホテルはまだ完成したばかりだった。

特別な「あの日」の翌日から、
人生で一番幸福な場所は「家庭」となって。
ふたりは何だか、ずうっとしあわせそうだ。

その日が去った後もなお残るもの。
それは、どこか懐かしい思い出と温かな温度。
この街にはきっと、こんなしあわせな家族が大勢いる。

世界で一番しあわせになるって、もう決めている。
だから、あなたと選んだこの場所で
わたしが選んだドレスを着て世界で一番きれいにしてもらって今日、お嫁にゆきます。
喜びも、感動も、残したい言葉も。
結婚式は、人の想いであふれている。